普段何気なく飲んでいるコーヒー、焙煎されている茶色い豆、みなさんはこのコーヒーが具体的にどういう物から作られているか考えたことはありますか?今日は植物としてのコーヒーを見ていきたいと思います。
この記事を読んで分かることはこちらです
②コーヒー農園の様子を知る
コーヒーノキ
コーヒーはコーヒーの木という植物の種子から作られます。アカネ科の常緑樹で原産地はアフリカのエチオピア、栽培地域は赤道地帯周辺となっています。常緑樹で緑の葉っぱをつけ花は白い花でジャスミンのような香りを放ちます。
コーヒーの木は自生しているものは大きくなると10mを超えることもありますが生産地では1.8m~2.0mぐらいの機械や人が収穫できる高さに盆栽のように剪定します。
『ケーラーの薬用植物』から
コーヒーの種類には大きく分けてアラビカ種とロブスタ種という2種類があります。生産のほとんどはアラビカ種で各コーヒーショップもそろえているのはアラビカ種となります。ロブスタ種は主に缶コーヒーの原材料として使用されています。
また人気観葉植物として鉢植えで利用されています。
生産地としては3大生産地として知られるアフリカ、ラテンアメリカ、インドネシアが有名でありその土地に適した品種が栽培されているためにコーヒーの風味は大きく異なります
コーヒーチェリー
コーヒーの実は熟すと真っ赤になりさくらんぼのようになることからコーヒーチェリーと呼ばれています。
長雨が降った後に一斉に花を咲かせますが咲いているのは1週間程度だけでそのあとはさっと散ってしまいます。ですのでこのコーヒーの白い花を見ることができるのは農家の人たちだけでなかなか現地の人でも見る機会は少ないそうです。
この実から種子を取り出し乾燥させ焙煎したものが店頭でみられるコーヒー豆となります。
コーヒー栽培に求められる条件は大きく3つ
①朝と夜の温度差が大きい、
山岳地帯の面積が広い
高地では気温が低いため、コーヒーの実はゆっくりと育ちます。日中と夜間の気温差が大きく変化するため、この気温差のストレスが糖分の生成を促します。生豆に含まれる糖分の一部はローストされる間に酸味となり、香り成分となります。糖分はコーヒーの酸味のもととなると同時に甘みも強くします。
②栄養価が高く水はけのよい
火山灰性の土壌
標高の高いところの土壌は、火山灰を多く含みます。火山灰は植物にとって根を伸ばしやすく、また保湿力に優れているので乾季でも植物に十分な栄養を与え続けることが出来ます。また火山灰は硫黄を多く含んでおり、この硫黄は実を形成する段階でコーヒーの香りのもととなります。
③日照量の管理技術と、
年間2000ミリ前後の降雨量
アンデス山脈で良質なコーヒーを育てるには年間1,600-1,800時間の日照量が適切とされており、各地域の気候や土壌の特徴をふまえてシェード(遮光)栽培などを行っています。 さらにコーヒーの栽培には、一定の時期にまとまった雨、その後に乾期が交互で訪れる気候条件が必要ですが、これも満たす稀少な土地です。
コロンビアのコーヒー農園の様子
まずは苗木から。苗を植えてから収穫できるまでには何と約3年の時間が必要です。なのでコーヒー農家の人たちはコーヒー栽培を始めてもすぐに収入が得られるわけではありません。
そのため大手コーヒーメーカーや国などがコーヒー農家が持続的に安定した収入が得られるようなサポートを提供しています。
コーヒーの木に並んでそれよりも大きいバナナの木も植えられているのがわかるでしょうか?こうして日照量を調節します
下はコロンビアのコーヒーの生産工程です。多くの工程を経て加工されていくのがわかりますね。


斜面が緩やかな場所では機械も入れますが写真のような急斜面の場所では人での手摘みが主な収穫方法になります。これはかなり大変な作業で高品質な豆を作るためには熟したチェリーを一つ一つ摘んでいかなくてはいけません。
例えば枝を揺らしながら実を落とすとまだ熟していない実も一緒に収穫してしまうために味のクオリティーを落としてしまう、といったことも起こってしまいます。
こうして大事に摘み取られたコーヒーチェリーは果肉を除去して乾燥され数か月寝かせてから出荷されます。出荷先で様々に焙煎され袋詰めされ、1杯のおいしいコーヒーが出来上がるのです。

いかがでしたでしょうか?普段あなたが飲んでいるコーヒーが出来上がるまでの旅を楽しんでいただけましたか?今日の記事はここまでです。ありがとうございました。